●C1 エナメル質内のむし歯
歯の表面のエナメル質が溶け始めた段階のむし歯です。
痛みがなく、ついつい放っておきがちです。
むし歯部分だけを削除して、直接、コンポジットレジン(合成樹脂)を充填します。
下北沢の歯医者 下北沢せきにし歯科
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歯の表面につくプラーク(細菌の塊)は、唾液を酸性に変えてしまう性質を持っています。むし歯は、このプラークがつくり出す酸によって歯が溶かされる病気です。歯はエナメル質や象牙質などの硬い組織でできていて、中には神経や血管が通っています。むし歯になるとこれらの組織が溶け、ものを食べるとしみる、あるいはズキズキ痛むなどの症状を伴います。
進行が進むほど治療期間が長引き、健康な歯を失い費用もかかります。
むし歯のリスクは個人により異なります。その原因をきちんと理解して正しい予防を行い、一生自分の歯で生活していきたいものです。治療後はメインテナンス予防を受けて、健康で丈夫な歯を保ちましょう。
ミュータンスレンサ球菌、ラクトバチラス菌などの耐酸性菌(むし歯病原菌)が口の中の糖を分解して「酸」を作り、耐酸性菌が急激に増えます。増えた耐酸性菌が大量に酸を産生し続けることによって、歯が溶けます。
歯が溶け続けることで穴が空き、その穴は広がり続けます。むし歯は象牙質まで進行してしまった場合、自然治癒で元の歯の状態に戻ることはありません。
酸で溶けてむし歯病原菌に感染した部分を取り除き、その部分を詰めたり、かぶせ物をしたりして治療します。むし歯の段階(C1~C4)により治療法が異なります。
●C1 エナメル質内のむし歯
歯の表面のエナメル質が溶け始めた段階のむし歯です。
痛みがなく、ついつい放っておきがちです。
むし歯部分だけを削除して、直接、コンポジットレジン(合成樹脂)を充填します。
●C2 象牙質に達したむし歯
むし歯がエナメル質の内側の象牙質に達したものです。象牙質はエナメル質より軟らかい組織なので、むし歯の進行が速くなります。
象牙質には歯髄(神経)に通じるパイプ(象牙細管)があるため、痛みが出るようになります。
またその範囲によって治療法が異なります。
範囲が小さい場合はC1 と同様にコンポジットレジン(合成樹脂)を充填します。範囲が大きい場合は耐久性を重視し、削ったあと歯型を取り、金属やセラミックの詰め物(インレー)を作り、欠損部を修復します。
●C3 歯髄(神経)に達したむし歯
むし歯が象牙質の内側の歯髄に達したものです。この段階では、歯髄に細菌が進入し激しい痛みを伴うことがあります。
可能な限り歯髄の温存に試みますが、歯髄の炎症が重度な場合、歯髄組織を除去したあとで、根管内を消毒し、シーリング材を用いて充填(根管治療)します。
また、歯髄が死んでしまった歯はもろくなりますので、クラウンなどの被せ物をします。
●C4 歯質が失われたむし歯
歯冠が溶けて無くなり、根の部分だけが残っている末期の状態です。
C3と同様に治療し被せ物をする歯の保存に努めますが、他にもあらゆる手を尽くした徹底的な治療が必要な場合が多くなります。
本当にやむを得ない、手遅れの場合は残った歯根部を抜歯します。抜歯した部分は傷が治った後に、ブリッジ・入れ歯・インプラントなどの方法で補うことになります。
従来のむし歯治療は、むし歯に浸食された歯や神経を「削る・抜く」ことがベースです。これは、むし歯の病理学的理解が十分になされていない時代の治療をそのまま受け継いでおり、治療というよりも「応急処置」に近いものがあります。
応急処置的な治療では、同じ歯の再治療を繰り返すことになり、いずれ歯髄(神経)を取り最終的にその歯を失ってしまいます。そして、失った歯を補うための入れ歯やブリッジによって健全な歯までをも失うことになり、緩やかに歯を失ってゆくことでお口の中は崩壊していきます。
むし歯に「治癒」は起こりません。むし歯を除去したあとに人工材料を用いて歯の機能や形態を回復させているに過ぎないのです。皮膚であれば、自分の皮膚として再生=治癒しますが、歯は削ったら二度と元に戻すことはできません。
まず、むし歯を予防すること、残念ながらむし歯ができてしまった場合、再発防止のために「高い精度で」処置を行うことが大切だと考えています。
歯の治療は人体の治療で最も細かい領域の治療と言われています。歯を削る量を最小限に抑えるには、しっかりと見えなければなりません。
当院では、数倍拡大された視野で治療を行っているため、正確に感染部分だけを削り取ることができ、歯を削る量を必要最低限に抑えることができます。
治療精度が上がり、詰め物や被せ物がぴったりとすき間なく密着し、再治療を防ぐことが可能です。
歯の歯髄(神経)には血液が流れています。この血液が歯に水分や栄養分を運ぶことで、割れにくい強い歯を作っているのです。血流がなくなった歯は、枯れ木のようにもろく、割れやすく傷みやすくなります。
むし歯や知覚過敏など歯の異常に気づかず、痛んだときには抜歯という可能性があります。美味しく食事するための味覚にも影響します。
細菌が歯の内部に侵入するのを防ぐ働きもなくなります。歯を固くしたり再生したりなどしてむし歯の急激な進行を防止する生体防御機能を失います。
血液循環による歯の代謝がなくなり、古い組織がそのまま残ることで黒ずみ変色します。歯の根が黒ずんでくると、歯茎から透けるため歯茎も黒ずんで見えます。
そのため当院では、歯髄(神経)を抜かないために、さまざまな治療法を駆使し手を尽くします。
いきなり削るということはありません。まずは二度と再発させないために原因除去に取り組みます。
ミュータンスレンサ球菌、ラクトバチラス菌などのむし歯病原菌を含めたプラーク(細菌の塊)の量が減少し、コントロールできた状態、つまり歯の表面やお口の中がクリーンかつ、歯肉に炎症がない状態で治療します。
血液やバクテリア(細菌)、水分、唾液や体液が入り込むのは再発の大きな原因になるからです。
世界標準の医療できるだけ削らず、接着を活用して再発しにくくし、金属アレルギーの心配なく、自然な形態と色調を再現し、型どりしない治療法
お口の状態によって使用できない可能性、時間の経過とともに変色の可能性・極度の衝撃で割れる可能性があります。
●前歯のむし歯をダイレクトボンディングで回復
右上側切歯の表層の変色がC1です。むし歯をピンポイントで削り、接着治療法を用いてコンポジットレジンを充填し、徹底的に研磨して天然歯に近づけます。
●奥歯の銀歯の詰め物を外してメタルフリーへ
歯の輪郭がある程度残っている場合、メタルインレーからの交換も行えます。まずはメタルインレーを除去して感染部分を取り、天然歯の形態に戻し、徹底的に研磨して天然歯に近づけます。
※保険外診療。治療期間、費用、施術の流れ、仕上がりに関しては個人差があります。
副作用(リスク):一時的に歯がしみたり、かみ合わせの違和感を感じることがあります。ごくまれに接着剤・コンポジットレジンにアレルギーを持つ方がいます。天然歯同様むし歯のリスクはなくなりません。
e.max(二ケイ酸リチウムガラス含有セラミック)を使用し、光が透過するため複雑な色合いのセラミックを築盛すると非常に自然で、金属アレルギーの心配がなく、精度が高く、硬すぎず自分の歯を傷つけず、プラーク(細菌の塊)がつきにくい治療方法
お口の状態によって使用できない可能性・極度の衝撃で割れる可能性があり、削る量が多くなる、光を透過するため元の歯の色の影響を受けます。奥歯の場合は見た目より耐久性を優先します。
●範囲の大きいむし歯をセラミックで回復
歯が欠けたことが理由で来院されました。まずは進行を止めるために、仮のセメントを入れます。プラーク(細菌)コントロールができたら、むし歯を除去します。色あわせと歯髄を保護する目的で、コンポジットレジンで象牙質相当部分を回復し、形を整え型どりをします。当院提携のセラミストが模型をもとにオーダーメードで製作したセラミックを接着し、歯を回復します。
※保険外診療。治療期間、費用、施術の流れ、仕上がりに関しては個人差があります。
副作用(リスク):一時的に歯がしみたり、かみ合わせの違和感を感じることがあります。ごくまれに接着剤・コンポジットレジンにアレルギーを持つ方がいます。天然歯同様むし歯のリスクはなくなりません。
歯髄(神経)まで細菌が感染して病気が生じた場合に行う治療です。感染源を除去してきれいにし、根の先まで歯の根管を封鎖する治療のことです。
むし歯や歯周病と同じく、根尖性歯周炎の原因も細菌です。根管内に細菌がいなければ根尖性歯周炎にはなりません。
むし歯が重度になり歯髄(神経)を除去しなければならなくなった場合の抜髄処置においては、根管内に新たに細菌を侵入させないことが最重要となります。また、すでに細菌感染してしまっている感染根管処置や再根管治療においては、新たに細菌を侵入させないのは当然ですが、根管内から細菌を除去することが重要となります。
当院では、根管治療の重大なコンセプト3つを厳守しています。
重要なのが無菌的環境を作ることです。お口の中には無数の細菌が生息しています。根管治療中に唾液や歯の表面に付着した細菌、もしくは治療器具からの細菌が根管内に侵入してしまう可能性があります。
治療の際にゴムシートを使用し、治療する歯だけを口の中から隔離することを「ラバーダム防湿」と言います。術中さまざまな口腔内細菌が根管へ侵入するのを防ぎます。
それにより、無菌的に治療ができます。また治療中に強い薬剤を用いることから薬剤が歯肉や喉の方に流れて粘膜を傷つけたりすることも防止できます。
海外では、この「ラバーダム防湿」は根管治療を成功させ、かつ再治療を防ぐための必須アイテムとして一般的に使用されています。しかし、日本では実施している医院が数パーセントしかないのが現状です。
「根管を綺麗に洗浄・殺菌する作業」は歯科の治療ではありふれた治療でありながら非常に困難を極めます。なぜなら、根管は非常に複雑に入り組んでいるにも関わらず、しっかりと洗浄を行わなければ、再発する可能性が高いためです。
複雑な根管の例(※右画像参照)
右の歯、根管治療後のレントゲン(シーリング材を入れ封鎖した状態、白く写っている)は、一般的に2本しか写ってこないのですが、このケースの場合4本写っています。
具体的には、ニッケルチタンファイルや手用ファイルと呼ばれるヤスリのような器具、超音波装置、根管内専用のマイクロ手用器具を使って機械的に感染部・異物の除去を行い、各種根管洗浄剤を用いた化学的な洗浄、水酸化カルシウム、これらすべて駆使します。
「歯を抜歯のリスクから守るためには、この複雑な管を可能な限り無菌状態に保たなければなりません。最終的に根管内をシーリング材や接着技術を利用して封鎖し、細菌が再侵入しないようにします。
従来、この根管治療は「肉眼」で行われていました。非常に細かく複雑に絡み合う根管を肉眼だけで確認しながら完璧に治療することは不可能です。
そのため、どうしても治療の多くの部分を「勘」や「経験」に頼らざるを得ず、「再治療」、あるいは「抜歯」の選択を迫られることが多々ありました。
当院では
●真っ暗な根管内部まで照らし、視野を拡大する精密拡大診療
●通常のレントゲンでは見えない部分まで確認できるCT
●根管の長さを正確に測定できる根管長測定器
これらを用いて感覚でなく、精密な根管治療を行います。
歯髄に細菌感染が起こり歯髄炎が起こった場合、やむを得ず感染した歯髄を取り除きます。
歯髄を取り除く「抜髄」の場合、根管治療を行うのは初めてなため治癒率が高い治療です。
根管内にまでむし歯が進行し、感染している場合が感染根管と呼ばれる状態です。
根の先まで感染が及んだ場合には根尖性歯周炎と呼ばれる、歯根のまわりの骨を溶かして膿がたまった状態になります。進行すると耐えがたい痛みと腫れを伴います。
感染根管治療の治癒率は抜髄に比べて下がります。
過去に行った根管治療をやり直す場合です。また、再根管治療のたびに治癒率は激減します。
通常の根管治療を行っても症状が改善しない場合は、「抜歯」の選択が一般的です。しかし「歯根端切除術」を実施することで、可能な限り歯を残す治療が可能となっています。
むし歯は感染症ですので、いくら削ってもそもそもの原因となっている「細菌」へのアプローチがなければすぐに再発してしまいます。
そのため当院では、「細菌レベルの検査」をし、まずは原因菌の特定、そしてその菌への効果的なアプローチ方法を探っていきます。
具体的には、「唾液検査」を活用しています。「唾液検査」では、患者さん固有のリスクを知ることが出来ます。
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