矯正歯科
当院の矯正歯科の特徴
矯正治療というと見た目をよくするイメージが強いと思いますが、当院では矯正治療は「予防」のうちのひとつであると考えています。
歯並びを無理なく整え、歯列が美しく並ぶと、歯並びの悩みが解消されるだけでなく、他にも生活を明るく楽しくする多くの利点があります。
体の健康にも歯並びは重要
- 歯の寿命がのびる
- 機能が改善される
- 「ヘルシーライフ」の向上
- 抜歯といわれた歯を救う
むし歯や歯周病の原因となるプラークが付着しづらくなり、ケアしやすく予防しやすくなります。バランス良く咬む力が分散されるようになるので、咬合力が一部に集中し大きなトラブルが起こるのも予防できます。
かみ合わせが改善され、食事の際にきちんと噛めるようになり、また発音も改善します。
咬み合わせがよくなることで、口まわりの筋肉を適切に動かすことができ、表情筋が鍛えられ、見た目の若々しさを維持できます。口腔環境が整うと、何事にも前向きに取り組め、明るく楽しい気分になります。
最近では、お口の中の健康を維持する予防という側面から、歯並びを矯正する治療が認知され始めてきています。健康な20本以上の歯でずっと過ごすことは、さまざまな全身疾患の予防、認知症の予防という観点からも、私たちが「ヘルシーライフ」とよんでいる、心身ともに健康的で充実した人生の喜びを噛みしめる生き方にぴったりです。
矯正治療は、心と体の両方を健康にする良い影響があると言えます。
大きく倒れてしまった歯、むし歯が歯肉の中にまで広がった重度のむし歯、骨を失った歯周病の歯の治療にも、歯を動かすことで長期保存することが可能になります。
当院では、子供からお年寄りまで、幅広い年代の方に対して矯正治療を行なっています。
矯正治療のメリット・デメリット
矯正治療のメリット
- 磨きやすくなるため、むし歯や歯周病にかかるリスクが大幅に下がる
- 上下の顎のバランスが悪いまま発育したり、顔の成長に影響を与える
- 上下の顎のバランスを整えながら発育・成長できる
- 正しくはっきり発音ができる
- 正しい噛み合わせになることで、全身の筋肉を正しく使い、バランスが整う
- しっかり噛めるため、消化がよくなる
- 口元が整うと笑顔に自信が持て、ポジティブになる
悪い噛み合わせ・歯並びによる
デメリット
- 歯磨きが行き届かず、むし歯や歯周病になりやすい
- 上下の顎のバランスが悪いまま発育したり、顔の成長に影響を与える
- 発音しづらくなる
- 顎関節症につながることがある
- しっかり噛めないため、胃腸に負担がかかる
- 人前で口を開いて笑うのが恥ずかしくなるなど、ネガティブになってしまう
小児矯正について
小児矯正の特徴
小児矯正とは、永久歯の歯並びを良くする為に行うもので、悪習癖(口呼吸、指しゃぶり、爪噛み等)や、顎の成長をコントロールをしていきます。お子様の状態にもよりますが、永久歯が萌出する6歳頃から開始するのが一般的です。
小児矯正の必要性
むし歯や悪習癖があることで、歯並びが悪くなる可能性があります。大人になってから矯正すると抜歯が必要になるケースが、小児矯正を行うことで不用になり、患者さんの負担が少なくなり得ます。
小児矯正のメリットとデメリット
メリット
メリットとしては、成長とともにコントロールしていくので、僅かな変化にも対応する事が可能です。
また、大人になってから治療するのと比較して治療期間や費用が抑えられます。
デメリット
デメリットとしては、装置の種類にもよりますが、着脱式の装置であれば患者さん自身での着脱や管理をしていただく必要があり、紛失の恐れがあります。
また、顎の成長をコントロールする場合、経過観察の時期が必要となり、トータルの治療期間が長くなる可能性があります。
永久歯の萌出をコントロールしますが、成長等の関係で大人の矯正が必要となる場合もあります。
治療期間
個人差がありますが、装置を装着している期間は1~3年の幅があります。経過観察の時期を含めると、プラスの期間がかかる場合があります。
時間がかからないケース
患者さんの状態にもよりますので、これといったケースはございません。
ただ一つ言えるのは装着時間や来院時間、頻度をきちんと守って頂く事で、早く終わる可能性があります。
時間がかかるケース
時間がかからないケース同様、患者さんの状態にもよりますので、これといったケースはございません。
装着時間や来院時間、頻度を守って頂かない場合、長くなってしまう可能性があります。
大人の矯正の特徴
(ワイヤー矯正)
当院で行っているワイヤー矯正は最もスタンダードな矯正方法で、歯が効率よく動かせるため治療期間が比較的短いのが特徴です。子供に比べて大人の矯正は、ご自身のモチベーションが高いため治療がスムーズに進みやすく、骨格の成長がないので理想通りの歯並びになりやすい、矯正中も矯正後も予防やデンタルケアの意識が高い方が多いため、新たなむし歯や歯周病などのトラブルが発生しにくいなどの特徴があります。
矯正治療に年齢制限はない
矯正治療に年齢制限はありません。歯並び、見た目が気になる、噛み合わせが悪いとお悩みの方も治療を受けることができます。当院では、ご年配の方の矯正治療も積極的に行っています。
始める時期・タイミング
- ブライダル
- 就職
大人の女性で矯正治療を行う方の中には、ご結婚に向けて治療を考える方が多くいらっしゃいます。
就職活動へ臨むに当たって、自信をつけたい、印象を良くしたいという理由から矯正治療を考える方もいらっしゃいます。
こんな方におすすめです
- 予防という観点からの矯正治療の重要性を理解できる方。
- 見た目だけではなくて、かみ合わせの改善による咬合負担の分散やプラークコントロールがしやすい環境に変わり、口腔内の健康に役立てることができることを理解できる方。
- 矯正前にプラークまみれだったり、むし歯だらけであったり、歯周病であったりして、そちらの治療が最優先であることを理解できる方。
歯周病治療の選択肢のうちのひとつに歯周矯正治療という方法があります。だれもが適応というわけではありませんが、中等度以上に進行した歯周病の人のほとんどが当てはまってくると考えています。歯周外科を積極的に行わなくても、ある程度は失った骨の形態を修正することが可能なため、再生療法などと組み合わせて歯周病を理想的に治療することが可能だと考えています。歯周病が進行すると、歯列も乱れてしまうことから、同時に歯並びとかみ合わせが改善されるので、歯周病治療の中でも歯周矯正は強力な治療法だと言えます。
現在、治療計画を立てると、ほとんどの方が歯列不正にともなう咬合の不調和があり、矯正治療が計画に入ってきて、ご提案し続けている状態です。つまり、歯が悪くなりやすい方の多くが、歯列不正をともなっているともいえます。
多くの方が、臼歯で全ての力を負担していることが多く、そのせいで、再発を繰り返しているという側面があるわけです。ご理解をいただき、理想的な咬合を得るために矯正をするという意識をお持ちいただきたいですね。
抜歯と非抜歯について
抜歯になるケースとならないケースの
違い
近年、様々な矯正器具の登場により、抜歯のケースは少なくなってきています。当院では天然歯を大切にしているために、当然矯正治療でも極力抜歯を避けています。
それでも、やはりどうしても抜歯が必要なケースがあります。 歯と顎のバランスを無視して無理に非抜歯で治療すると安定した良い咬み合わせにはならないという場合、出っ歯になって見た目が悪くなるような場合です。
大人矯正のメリット・デメリット
メリット
むし歯や歯周病にかかりにくくなる。
歯ブラシが届きやすく、プラークがつきにくくなるため、むし歯や歯周病にかかる確率が大幅に下がります。
口元がきれいになり自信がつく
歯並びの悪さが気になり笑顔に自信がなかった方も、他人の目を気にせず明るい表情をつくることができるようになります。歯並びが整っていると、それだけで清潔感のあるさわやかなイメージになります。
フェイスラインが整う
歯並びをきれいにすると口元だけでなく、顎のバランスが良くなりフェイスラインが整います。
食べ物をしっかり噛めて消化が良くなる
噛み合わせがよくなり食べ物をしっかり噛むことができるようになります。そうすると胃腸への負担が減り、体調の改善につながります。
ひどい肩こりや頭痛が改善する可能性がある
慢性的な肩こりや頭痛は、歯並びやかみ合わせの悪さが原因の場合があります。筋肉バランスが整い、そのような痛みを感じなくなる人が大勢いらっしゃいます。
デメリット
治療期間が子供に比べて長い傾向がある
成長期にある子供と違い、大人は歯の移動が比較的遅い傾向があります。そのため、子供に比べると治療期間が長くなる場合があります。
抜歯しなければいけないケースがある
子供に比べて歯のスペースを作りづらいため、抜歯をしてスペースを作らなければいけない場合があります。
歯茎が下がりやすい
もともと歯周病や加齢で歯茎が下がっている場合、矯正治療で歯を動かして重なっていた部分がきれいに並ぶと、歯茎がさらに下がって見えることがあります。歯と歯の間の三角形の隙間が黒く見える「ブラックトライアングル」ができてしまうことがあります。
利用する矯正装置の種類
メタルブラケット
1本1本の歯にブラケットという装置を取り付け、そこにワイヤーを通して少しずつ歯を移動させていくワイヤー矯正。ブラケットに金属のものを使用するのが「メタルブラケット」です。
レジン・ジルコニアブラケット、ホワイトワイヤー
ブラケット・ワイヤーには金属製のもの以外にもクリアタイプ、ホワイトタイプもあります。目立たない矯正治療をご希望の方は、装置自体が透明や白色ですのでおすすめです。
治療の流れ
- 初診(カウンセリング) ご希望や、歯並び・噛み合わせのお悩みを伺います。当院の矯正治療について説明いたします。当院での治療についてご納得いただけましたら、検査へ進みます。
- 検査 口腔内のレントゲン撮影、噛み合わせのチェック、歯の型取り、歯周ポケットの測定、CT撮影など、矯正治療に必要な検査を行います。検査の結果から、治療計画を立案していきます。
- 治療計画(コンサル) 抜歯の必要性や装置の種類、治療費、治療期間などについて詳しくご説明します。また、矯正治療中に日常生活で必要となる配慮についてもお話しします。ご納得いただけましたら、矯正治療を開始します。口腔内の状態によっては、優先して歯周病やむし歯の治療が必要な場合があります。
- 治療開始 歯にブラケットを装着します。ワイヤーをブラケットに通してゴムやバネの力を利用し、歯を少しずつ移動させます。定期的に通院いただき、ワイヤーなど矯正装置を調整・交換しながら矯正治療を進めていきます。
- 保定(固定)・メインテナンス 美しく整った歯並びを安定させるため、歯を動かした期間と同期間だけ保定装置を付けます。定期的にメインテナンスしながら歯の様子を観察し、後戻りしないことを確認したら、矯正治療は完了となります。
歯並びの乱れによる身体のトラブル
顎関節症、頭痛、口呼吸による集中力低下等があります
矯正治療中に気をつけること
むし歯
歯磨きがきちんと行えていないと、矯正中にむし歯治療を行うこともあります。その場合、治療期間が長くなる場合もあります。
クリーニング
当医院では、予防会員制度を設けており、歯磨きが苦手な方をサポートさせていただいております。
生活習慣
食いしばりや歯ぎしり、頬杖や寝る時の姿勢で歯の動きが制限されることがあります。
気付かない内にしてしまっていることもありますので、指導も併せて行っていきます。
インビザライン
(マウスピース矯正)
インビザラインの特徴
透明なマウスピースを利用することにより、装置が取り外し可能で、目立ちにくいのが特徴です。マウスピースをつけ替えることで歯並びや噛み合わせを整える矯正方法です。
しかし、歯の移動量が大きいケース(抜歯を必要とするケース)ではマウスピース矯正単独では限界がある場合があります。そのような場合は一定期間、ワイヤー矯正を併用して治療を行います。
取り外し可能ですので、食事や口腔ケアの邪魔になりません。装置の洗浄も簡単に行うことができる反面、装置を装着する判断は患者さんに一任されるため、装置を付ける時間が短く、つけない期間があった場合は、治療期間が長くなってしまうというデメリットがあります。
こんな方におすすめです
- 人前で仕事をすることが多いモデル
- 多くの方と会う営業や接客業の方
- 「矯正装置が目立つのが気になってなかなか治療に踏み切れない」といった方
インビザラインの種類
フル
全体的な噛み合わせを考慮し、上や下だけでなく上下ともに動かす方法です。
ライト
軽度な歯並び不正を治す方法です。
インビザラインの治療の流れ
- 初診(カウンセリング) ご希望や、歯並び・噛み合わせのお悩みを伺います。インビザラインについてご説明いたします。当院での治療についてご納得いただけましたら、検査へ進みます。
- 検査 口腔内のレントゲン撮影、噛み合わせのチェック、歯の型取り、歯周ポケットの測定、CT撮影など、矯正治療に必要な検査を行います。検査の結果から、インビザラインに適している口腔内かをチェックし、治療計画を立案していきます。また、むし歯・歯周病の有無も調べます。
- 治療計画(コンサル) 抜歯の必要性や装置の種類、治療費、治療期間などについて詳しくご説明します。また、矯正治療中に日常生活で必要となる配慮についてもお話します。ご納得いただけましたら、矯正治療を開始します。口腔内の状態によっては、優先して歯周病やむし歯の治療が必要な場合があります。
- 歯型取り マウスピースをつくるための歯型を採取します。※マウスピースは、治療計画に承認いただいて4~6週間程度で完成します。
- 治療開始 いくつかのステージに分けてマウスピースを装着していただきます。ソフト→ミディアム→ハードの3種類のマウスピースを1週間ごと取り替えながら、理想的な歯並びへと導きます。
- 保定(固定)・メインテナンス 美しく整った歯並びを安定させるため、歯を動かした期間と同期間だけ保定装置を付けます。定期的にメインテナンスしながら歯の様子を観察し、後戻りしないことを確認したら、矯正治療は完了となります。
インビザラインの後戻りについて
インビザラインによるマウスピース矯正であっても、ワイヤーによる従来型であっても、動いた歯はマウスピースを外すと、舌の動かし方や、噛み方、唇を噛むといった癖など様々な要因で元に戻ろうとします。
とはいえ、インビザラインは後戻りしにくいといわれています。治療中からマウスピースを装着することに慣れていますので、その後にリテーナーを使用していくのに抵抗がないのです。
インビザラインのメリット・デメリット
メリット
装着していても装置が目立たない
透明な材料でできているので、つけていても目立ちません。
食事や歯磨きをいつもどおり行なえる
ワイヤー矯正は自分で取り外しできず、食事や歯磨きに慣れるまでに時間がかかりますが、着脱可能なため、矯正中も歯磨きやフロスを使用でき、口内を清潔に保てます。
金属アレルギーの心配がない
金属アレルギーの方も安心してご使用いただけます。
口内炎などのトラブルが少ない
マルチブラケットを装着していると、食事やスポーツ中に口の中を傷つける恐れがありますが、マウスピースはそうしたリスクがほとんどないので、安心できます。
デメリット
自分で正しく管理し、装着しなければいけない
食事と口腔ケアのとき以外はマウスピースを装着していなければ、効果が適切に現れません(1日17~20時間)。装着時間をお守りいただけない場合、ご希望通りの結果を得ることが難しくなる場合があります。
一時的に話しづらい時期がある
ワイヤー矯正と同じく、マウスピースをつけて話すと、相手が聞き取りにくく感じる場合があります。装着して1~2週間で慣れて発音も上達していきます。
対応できる症例が限られている
ほとんどのケースに対応できるワイヤー矯正とは違い、マウスピースによる矯正はケースが限定されます。場合によっては、マウスピースによる矯正治療ができない、もしくはワイヤー矯正と組み合わせる場合があります。
矯正治療の前に、歯周病治療を
矯正治療を行う際には、まず歯肉が健康であることが大切なお約束です。歯周病がある状態で矯正治療をしてしまうと、歯周病がさらに悪化して歯が抜けることで、せっかく整えた歯並びも乱れてしまうおそれがあります。当院では、歯周病認定医による歯周病治療で口腔内のコンディションを良い状態に整えてから、矯正治療をすることによって、理想的な歯並びを実現します。
歯周病と矯正治療
歯周矯正治療
歯並びが悪いとプラークコントロール不良になり、歯周病を進行させる
歯周病が進行すると、しらずしらずのうちに病的な歯の移動がおき、歯並びが乱れてくるため、矯正治療は歯周病治療の選択肢のひとつとして選択されてきました。
このような歯周病を治療するための矯正治療を『歯周矯正治療』といいます。歯を正しい位置に移動させると、かみ合わせの力が歯に対して適切に分散され、歯周病で失った歯の周囲の骨が一部回復する、歯周病で溶けた骨の形を修正するなど、近年では『歯周矯正治療』が歯周組織の改善に効果があるという報告が増えてきています。
しかし、歯周病で乱れた歯並びを、安易に矯正治療してしまっていいわけではありません。
歯周病(歯肉炎を除く)を対象にした研究では、『4mm以上の歯周ポケットのある歯の歯周ポケット内にプラークや歯石などが存在すると、歯周病原菌の活動性を高め、歯周病をさらに悪化させてしまう』という報告があります。
また、歯周病治療で感染除去をし、歯周ポケット内の細菌が減少し、一定以上歯周組織の安定した状態であれば、歯周病を悪化させないという報告もあります。
つまり、矯正治療前に歯周病治療をしっかり行い、治療中は通常の矯正治療と同等以上に毎日のブラッシングなどのセルフケアや定期的なプロフェッショナルケアを行うことで管理に気をつけ、細菌感染に配慮する必要があります。
矯正治療を含めた全ての治療後も歯周病再発のリスクが高いためにメインテナンスで来院して頂き、同時に歯並びの管理も行います。